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岐阜旅行と引っ越し思案|2022-11-30

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先日、岐阜に行ってきた。

転職の可能性があるので会社周辺の下見を、というのが表向きの理由だ。実際のところは下呂温泉に行ってみたかった。岐阜の町中をみるのもそこそこに、山の中へと車を走らせた。

 

山道を走りながら、この県に引っ越したらどうなるのかを想像する。

海のない県の生活、というのが私にはどうにも想像がつかない。生まれ育ったのは四国の漁村だったし、大学進学や就職でこれまで住んで来たのも海が近い地域だった。

町田に2年ほど住んでいた時が、実際のところ内陸県の生活に近いんだろうな、と思う。あの頃はなんというか、つらかった。美味しい魚にそうそう出会えないという一点が。そこそこの社会人の懇親会に使うような店で、出てきた刺身の水っぽさと味のなさに衝撃を受けたのを覚えている。

 

山あいの旅館で、豪華なお造りが出てくることがある。懐石料理でいう向付だが、港町もかくやの豪華な盛り付けのパターン。海産物=ごちそう、というその地域のおもてなしの心だろうか。当然山の中なので海からの交通の便は良くはない。どうしても港町で食べる刺身には劣る。

こういうとき、なんだか少し残念な気持ちになってしまう。せっかくなら海魚のお造りはそこそこに、山菜や川魚など、その地域のものをもっと推して欲しい。

 

今回下呂で泊まった宿は、そういう山の卑屈さのような部分が全くなかった。

マグロとサーモン、そしてカンパチ。定番ネタの、やや小ぶりなお刺身。綺麗に盛り付けられたそれらを、味噌の風味を感じるムース状のお醤油でいただくスタイル。
このムース状のお醤油、というのが新しかった。お刺身がムースの味を引き立てており、ムースを楽しむサポートとして助演男優賞モノの活躍をしていた。丁寧に仕事がされたお刺身だっただけに、目から鱗だった。

海がなくても、魚が主役を張る地域でなくても、いくらでも楽しみようはあるんだな、と引っ越しを考える心がずいぶん前向きになった。

 

温泉も最高だったので、ぜひまた行きたい旅行先の一つだ。