眠れない夜には羊を数えなさい。
よく聞くけど、意味がさっぱりわからないアレだ。雄大な自然のなか、なぜか柵を飛び越え逃げ出す羊をカウントする。ひつじがいっぴき。なんとなく続けるけれど、別に眠気がくるわけではないアレ。ひつじがにひき。
なんで羊かというと、英語がベースになっているからだそうだ。sheepとsleep、綴りが似ているから羊。
確かに「ひつじがいっぴき」で唇の動きが多きく息も細切れだけど、one sheep,two sheep,ならお腹からゆっくり息を吐き出すからリラックスして眠くなりそうだ。
しっくりこないのは日本語では言葉の対応が取れていないからだったのか。
じゃあ、日本語なら何がいいだろう。眠り、ねむり。音の響きで選ぶなら「煙」だろうか。
煙が一本、煙が二本、煙が三本......
あぁ。雄大な自然のイメージが、これじゃ海沿いの工業地帯だ。もしくは山火事だろうか。徐々に人が集まってきた喫煙所かもしれない。
結局のところ、黙って布団に潜っているのが一番なのだろう。