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"刺さった本"の感想・書評を書いています。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

湿気が纏わりつくようなホラー短編集|『梅雨物語』【書評・感想】

貴志祐介のホラーは、怖い。 大抵のホラー、特にジャパニーズホラーには耐性値が高い私だが、貴志作品のホラーには毎度身構える。ある種のトラウマに近いかもしれない。 もう20年近く前、世間一般より早く親元を離れて中高一貫の学生寮で生活していたころの…

裏話から文化史まで。コラムで楽しむ服飾の世界|『モードの方程式』【書評・感想】

服飾が好きだ。自分自身はセンスが皆無だし、そもそも自分がいい服を着るのは技術と時間を尽くした高級なソースを屑肉にかけるようなものだと感じてしまうので、もっぱらユニクロのマネキンと同じような格好をしているのだけれど、生地とか、パターンとか、…

人気ディレクターがラジオと歩んだ10年|『アフタートーク』【書評・感想】

高校時代、勉強の相棒はラジオだった。 中学の技術の授業でハンダ付けして作ったチャチな携帯ラジオで、音はガビガビ。それがある種のホワイトノイズのように働くのか、妙に集中できた。狭い学生寮のデスク。 ラジオの程よく他人事な感じが好きだ。 カフェで…

『かわいそ 笑』物語の真相について(ネタバレ有)

para-a.net 『かわいそ 笑』はネットロアを題材にしたホラー小説だ。 ジャンルとしてはモキュメンタリーに当たるのだろうが、モキュメンタリーの枠に収まらない、読者を舞台上に引き摺り込むような仕掛けを伴った斬新な構成をしている。 意図的にストーリー…

現代版・現実侵食型ネットロア|『かわいそ 笑』【書評・感想】

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