小説
人間、大なり小なり何かのキャラクターを演じている。 それは会社の中の役職かもしれないし、SNSのハンドルネームかもしれないし、友人の中での役回りかもしれないが、それゆえに「この立ち位置ならこういう言動をした方が (/しない方が) いいだろうな」とい…
アンディ・ウィアーの第三作目「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は人類の科学史が見事に描かれたSF小説だった。科学描写の面からその魅力を紹介する。【書評・感想】
北海道を舞台にした、伝承ホラー「ヨモツイクサ」のレビュー・感想。クトゥルフ神話TRPG (CoC) をプレイしているような雰囲気と三段構えのストーリーが面白い小説。
貴志祐介のホラーは、怖い。 大抵のホラー、特にジャパニーズホラーには耐性値が高い私だが、貴志作品のホラーには毎度身構える。ある種のトラウマに近いかもしれない。 もう20年近く前、世間一般より早く親元を離れて中高一貫の学生寮で生活していたころの…
para-a.net 『かわいそ 笑』はネットロアを題材にしたホラー小説だ。 ジャンルとしてはモキュメンタリーに当たるのだろうが、モキュメンタリーの枠に収まらない、読者を舞台上に引き摺り込むような仕掛けを伴った斬新な構成をしている。 意図的にストーリー…
すこし前に、『##NAME##』という小説を紹介した。 親に求められるままにジュニアアイドルを目指していた少女が道を諦め、自分自身の感情と向き合えるようになるまでを描いた物語だ。 para-a.net ”美砂乃ちゃん”は主人公・雪那と同じ事務所に所属していたアイ…
小説『##NAME##』は、2023年刊行の第169回芥川賞候補作。夢小説を中心とした2000年代カルチャーに絡め、少女が”自分”として生きていけるようになるまでを描いた作品だ。書評と感想を紹介する。
そういえば、去年(2022年)の12月頃、火星が地球に最接近したというニュースを目にした。数年前にも"大接近"とかで似たような話題を耳にした気がする。 調べてみると、どうやら公転周期の関係で火星と地球は2年に1回くらいのペースで接近しているらしい。地…
「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない(桜庭一樹先生)」を読み返した。鬱作品と名高い小説だけど、辛い現実を生き抜く祈りも感じられる名作です。【書評・感想】
鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』。謎解きにだけ集中できる工夫が新しいミステリー小説/推理小説だった。感想と書評を添えて紹介。