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"刺さった本"の感想・書評を書いています。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

科学に誠実な珠玉SF|火星の人【書評・感想】

そういえば、去年(2022年)の12月頃、火星が地球に最接近したというニュースを目にした。数年前にも"大接近"とかで似たような話題を耳にした気がする。 調べてみると、どうやら公転周期の関係で火星と地球は2年に1回くらいのペースで接近しているらしい。地…

きらめくものの間を駆け抜ける感覚|「好き」の因数分解【書評・感想】

詩人である最果タヒ氏の、”好きなもの”について突き詰めたエッセイ『「好き」の因数分解(リトルモア)』についての書評・感想。 短い本ながら、著者の鋭い視線と無駄の削ぎ落とされた鮮烈な言葉が魅力的な一冊だった。

壮絶な筆力で綴るパンクな英国生活|ジンセイハ、オンガクデアル【書評・感想】

『ジンセイハ、オンガクデアル (ちくま文庫) 』は、ブレイディみかこ氏の高い筆力で描かれる、英国貧困層の暮らしと底辺託児所での仕事をもとにしたエッセイだ。この記事では、書籍に土えの詳しい感想と書評を紹介する。

2023年上半期:パラエー的おもしろかった本ベスト5

文筆家・アオミ ソウが2023年上半期に読んだ55冊の中から、特に面白かった本を5冊紹介します。

無理せず楽しく続ける方法を考えよう|『継続するコツ』【書評・感想】

継続。それは最も重要で、かつ難しいことだと思う。 仕事だって、趣味だって、生活だって、つまみ食いしてすぐに手放す人よりも、長年継続し続けている人の方がより高い視座と技術を持っている。 私は継続が苦手な方だ。初めのうちはのめり込んで、それ以外…

ファッションという生き様についての対談本|『ファッション ファッショ』【書評・感想】

『ファッション ファッショ(講談社)』は、ファッション評論家のピーコ氏と、小説家の山田詠美氏との対談本。 大人の女子会といったざっくばらんな雰囲気で、二人のファッション哲学や信念が垣間見える一冊だ。この記事では、本書の魅力を紹介する。

文法ベースの現代短歌 推敲論|『考える短歌(俵万智)』【書評・感想】

『考える短歌』は、『サラダ記念日』の俵万智による、短歌の文章表現についての本。効果的な言葉の選び方について、読者の短歌を添削する形で解説されている。詩歌だけでなく、一般的な文章執筆に通じる内容でもあるため、短歌にとどまらず表現のレベルを上…