メガネが本体。
漫画のメガネキャラがそう言われることは多いが、私自身も人生の半分以上をメガネとともに過ごしている「メガネが本体」に近い人間だ。
視力が0.1を切り、裸眼ではろくに物も見えない状態なのでメガネは手放すことができない。コンタクトを使っていた時期もあったが、ライター仕事を始めてデスクワーク中心になってからはもっぱらメガネだ。日中はもちろん、風呂でも横になっている時でも、眠っている時以外は常にメガネをかけている。
これまでに使ってきたメガネは6、7本ほどだろうか。ただ、恥ずかしながら、いわゆるファスト系の店でしかメガネを買ったことがなかった。
メガネは身体の不便を解消するだけのもの。似合わないよりはにあう方がいいけれど、安くて毎日気軽に使えることを優先していた。
だが、個性的な眼鏡をかけている人は素敵だと思う。
例えば、私の好きなYouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』の文房具バイヤー・岡崎さん。彼女はヴィンテージ眼鏡を愛用しており、有隣堂が運営する眼鏡店の常連だという。
お洒落なメガネについて知りたい。そんなきっかけで本書を手に取った。
『めがねを買いに』(WAVE出版)
本書はメガネの魅力と、個性的なメガネを選ぶ方法を紹介する本だ。写真たっぷりのフルカラーで、3章構成になっていてる。
同じデザインのメガネでも、描ける人によってガラリと印象が変わる。
第2章では、メガネを購入するときのポイントを解説している。
男性のモデルさんを例に、実際にお店に行って、1からメガネを選ぶところを見せてくれる。どういったところに注目するかや、似合う/似合わないメガネはどういう状態か、実例があるのでとてもわかりやすい。
ラストの第3章で紹介されるのは、メガネを長く使う上で大事なことだ。
購入時のフィッティングとレンズの選び方、普段のお手入れのコツを知ることができる。
本書で登場するメガネはブランド名が併記されているので、気になる雰囲気のメガネがあれば検索してみるとより楽しめるだろう。
素敵なメガネを選んで、買って、使っていく。その楽しさを知ることができる本だ。
目からウロコの ”メガネ=ファッション”
本書を読んでインパクトを受けたのが、「ファッションとしてメガネを扱う」ことだ。
- 服屋と同じような感覚で眼鏡屋に立ち寄っていい
- メガネは顔の中心にくる、一番大きなアクセサリーである
これまで、私の中ではメガネ=下着くらいの感覚だった。
無いと社会生活できないので着けている。そのくらいの立ち位置だ。下着なので身体に合うことが優先。デザインはそれなりでよく、あまり派手すぎても気が引ける。合わなくなったり壊れたら買い替えたらいい。
それを「服と同じように選んだらいい」というのは、結構新鮮な感覚だった。なるほど、会話中に一番目に入るファッションだと考えれば、確かに無難さで選ぶのはつまらないかもしれない。
気になった個性派メガネブランド
ここで、本書で知ったメガネブランドの中から特に気になったものを紹介したい。
grotesque frame(グロテスクフレーム)
ドイツの個性的なアイウェアブランド。
現在はbenner(ベナー)という名称に変わったらしい。
画像は楽天市場から。
BOZ(ボズ)
こちらはフランスのブランド。
アイラインのようにフレームに遊び心を込めたデザインが多く、とてもかわいい。
画像は楽天市場から。
less than human(レスザンヒューマン)
人間以下というすごい名前の国内ブランド。
シャープで工業的なデザインが多くて格好いい。
画像は楽天市場から。
どれも魅力的なメガネで、ぜひ実物を見てみたいと思った。
お洒落なメガネを買いに行きたくなる。
本書はメガネ選びの楽しさを教えてくれる一冊だ。一歩間違えばうるさくなってしまいそうな個性的なメガネも、うまく選べばちゃんと顔に馴染んでくれることを理解できた。
せっかくだから私も、ユニークなメガネを買ってみようか。