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"刺さった本"の感想・書評を書いています。

私の読書メモの付け方|書籍評価は「刺さり度」と「読書カロリー」の2軸

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私の読書メモの付け方|書籍評価は「刺さり度」と「読書カロリー」の2軸

読書メモを書く人、書かない人、さまざまだと思う。

私は結構まめにメモを記録している方だ。
研究職をしていた者の習性か、細かなデータを残して分析すること、それ自体がなんとなく楽しい。

この読書メモを書く際、意識的にスコアリングしている項目がある。それが「刺さり度」「読書カロリー」だ。書籍の評価方法術としては割とオリジナリティのある部分かと思ったので紹介したい。

私の読書メモ

まず、私がどんな感じのメモを残しているかを紹介したい。
使用しているツールはMacの表計算アプリ「Numbers」(Excelのようなもの)だ。

  • 書籍タイトル
  • 出版社
  • 著者
  • 本のジャンル
  • 読了した日付
  • 刺さり度
  • 読書カロリー
  • 内容のメモ(良かった/イマイチだった点、自分の考えなど)

あたりの項目を毎回記録している。

どのくらいのボリュームになるかは本によって大きく変わるが、書き残したいことが沢山ある場合は平気で1000文字を超えてくる。ブログで公開している書評の中には、このメモの内容をほぼそのまま使ったものも多い。

実際の画面はこんな感じ。

毎月の読んだ冊数や、気に入った本が多い出版社、よく読むジャンルなどのデータをグラフ化して分析することもある。

ひょっとしたらありがちな読書メモなのかもしれないが、これらの項目の中で馴染みがないのが、「刺さり度」と「読書カロリー」の2つだろう。

「刺さり度」

読んで字の如く、「私の心にどれくらい刺さったか」のポイントだ。5段階でつけている。要は☆1〜5のよくある評価法なのだけれど、より個人の主観に基づいていることを強調した名称にしている。

以前は本を☆でランク付けして評価していたこともあった。とても面白ければ☆5、つまらなければ☆1、という具合だ。このスコアリングは人様のブログや書評サイトでもしばしば目にすると思う。

ただ、どうにもしっくりこない。主観的なポイント付けだというのに、客観性のある評価の顔をしているのはいかがなものか。

単につまらない本と、その時の自分にとってはイマイチだったが、状況・嗜好が違えば面白い本とは違うだろう。

そういった意図から、私は「あくまで主観的な、自分にとっての面白さである」という一歩引いたスコアリングを採用することにした。それが「刺さり度」だ。

低い点をつけた本でも、「こういう人にとっては4点」といったコメントを可能な限り添えるようにしている。

「読書カロリー」

もうひとつの項目が、「読書カロリー」だ。
これは、その本を読むのに必要な気力や体力、時間的なコストを表している。

こちらも5段階評価で、ページ数が分厚くて骨太な内容の本は数値が大きく、サラッと読める気軽な本は数値が小さくなっている。

これらの本を同列に比較するのは難しいため、「刺さり度」と合わせてポイントづけしている。

2つのパラメータからなるマトリックス

 「刺さり度」と「読書カロリー」。これらのパラメータをプロットすると、2軸のマトリックスが出来上がる。

「刺さり度」「読書カロリー」からなる本の評価マトリックス

普通に面白く、普通に読めた本は真ん中に収まる。標準的な、全ての基準になるゾーンだ。ああ、面白い本だった、とページを閉じた本が相当するので、だいたい読んだ本の半数以上はこの位置になる。


読み口が軽く、とても刺さった本(右下ゾーン)は最高だ。サラッと読めて面白いので、人を選ばず気軽に勧めることができる。当ブログで紹介しているものもこのゾーンの本が多い。

また、重たくても興味深い本(右上)は、時間をかけて読み込みたい良書だ。

 

厄介なのが刺さり度が低いゾーン(左)で、この辺りは「単に自分向きじゃなかった本」「分野違いの難読書」「駄文」なども混在する魔境でもある。気軽な情報収集に読み流すものもあれば、なんだこれは、という本もある。

私から人には勧めづらいが、刺さる人にはドンピシャという本もあるだろう。
大事なのは、自分の主観に基づく評価であることを、自分で理解していることだ。

より詳しく分類するとこんな感じになる

情報整理で”良書”に出会いやすくなる

こうやって読んだ本を整理していくと、どういう本が自分にとって良い本なのかが把握できるようになってくる。重要なパラメータは題材かもしれないし、出版社かもしれない。

あるいは、読んだ当時は忙しくて「重たい本」は読むのがきつかったが、今であれば万全に味わえる、そんなことに気づくかもしれない。

逐一細かい感想を残すのは大変でも、 「刺さり度」と「読書カロリー」、一言メモくらいを記録しておくと、読書ライフはより有意義なものになるだろう。

興味があれば、ぜひ試してみてほしい。