パラタイプエー

"刺さった本"の感想・書評を書いています。

『##NAME##』美砂乃ちゃんに脳を灼かれ続けている(ネタバレ有)

すこし前に、『##NAME##』という小説を紹介した。 親に求められるままにジュニアアイドルを目指していた少女が道を諦め、自分自身の感情と向き合えるようになるまでを描いた物語だ。 para-a.net ”美砂乃ちゃん”は主人公・雪那と同じ事務所に所属していたアイ…

記憶と現実を繋ぐ読書体験|『電車の中で本を読む』【書評・感想】

最近、電車での移動中はなるべく本を読むことにしている。 数年前、東京に住んでいた頃では考えられなかったことだ。通勤時間の東京の電車はあまりにも人との距離が近すぎて、イヤホンで情報を遮断しては、体で隠すように抱えたスマホの上で指を動かすことし…

2023年7月に読んだ本の短評(いまさら)【書評・感想】

2023年7月に読んだ「センス・オブ・シェイム」「ストーンヘンジ」「Another side of 辻村深月」「宗教のレトリック」の4冊について、短い書評と感想を書きました。

2000年代カルチャーを巧みに絡めた少女の解放譚|『##NAME##』【書評・感想】

小説『##NAME##』は、2023年刊行の第169回芥川賞候補作。夢小説を中心とした2000年代カルチャーに絡め、少女が”自分”として生きていけるようになるまでを描いた作品だ。書評と感想を紹介する。

科学に誠実な珠玉SF|火星の人【書評・感想】

そういえば、去年(2022年)の12月頃、火星が地球に最接近したというニュースを目にした。数年前にも"大接近"とかで似たような話題を耳にした気がする。 調べてみると、どうやら公転周期の関係で火星と地球は2年に1回くらいのペースで接近しているらしい。地…

きらめくものの間を駆け抜ける感覚|「好き」の因数分解【書評・感想】

詩人である最果タヒ氏の、”好きなもの”について突き詰めたエッセイ『「好き」の因数分解(リトルモア)』についての書評・感想。 短い本ながら、著者の鋭い視線と無駄の削ぎ落とされた鮮烈な言葉が魅力的な一冊だった。

壮絶な筆力で綴るパンクな英国生活|ジンセイハ、オンガクデアル【書評・感想】

『ジンセイハ、オンガクデアル (ちくま文庫) 』は、ブレイディみかこ氏の高い筆力で描かれる、英国貧困層の暮らしと底辺託児所での仕事をもとにしたエッセイだ。この記事では、書籍に土えの詳しい感想と書評を紹介する。

2023年上半期:パラエー的おもしろかった本ベスト5

文筆家・アオミ ソウが2023年上半期に読んだ55冊の中から、特に面白かった本を5冊紹介します。