2023-01-01から1年間の記事一覧
私は高知県の出身なのだが、そういえば高知の名士についての本を読んだことがなかった。そんな折に手に取ったのがこの本、「牧野植物随筆」だ。 牧野富太郎先生は高知県出身の植物学者で、日本の植物学の父とも呼ばれている。日本初の植物誌を編み、ヤマトグ…
『バガヴァッド・ギーター』とは、古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』の中の一幕。血族を巻き込んだ大戦争に心を痛めた英雄・アルジュナに対し、彼の導き手であるクリシュナが教え諭す場面を抜粋したものだ。 戦場の只中で膝を折るアルジュナに、クリシュ…
「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない(桜庭一樹先生)」を読み返した。鬱作品と名高い小説だけど、辛い現実を生き抜く祈りも感じられる名作です。【書評・感想】
最高だったインド映画、「RRR」。 わかりやすいストーリーと派手な演出・アクションのおかげで前情報なしでも楽しめる作品だが、多くのインド文化・習俗・伝承にまつわる描写が練り込まれており、それらを知っているとより楽しめるようになっている。 私自身…
インド映画「RRR」を(今更ながら)観てきた。 ラージャマウリ監督の作品は「バーフバリ」も怒涛の熱量と目力、神話級のド派手演出で最高だったのだが、今作も別ベクトルで最高な映画だった。 オタクの好きなものが全部詰まっている。 互いに敵と知らずに仲良…
大規模なモノカルチャー農業により、世界の食糧は均一化している。その陰で姿を消している非効率な伝統食について書いたのが「世界の絶滅危惧食」だ。文化史とともに、食の遺伝的多様性の重要性を解説する一冊【書評・感想】
本書は、一人出版社「夏葉社」島田潤一郎氏のエッセイだ。会社をやめ、どうして個人で出版社を始めるようになったか。その経緯と、「本を作ること」への想いが綴られている。【書評・感想】
本への書き込み。その効果と魅力。文豪の読書法・読書中の思考はどんなものだったか。それらを紹介しつつ、マルジナリア(書き込み)をおすすめするのが本書だ。軽い読み口で一歩踏み込んだ読書術が紹介されいる【書評・感想】
マルジナリアでつかまえて(本の雑誌社)という本をよんでいる。 マルジナリアとは「本の余白への書き込み」を指す英語らしい。あれ、一言で表現できる言葉あったんだ。 私は図書館を多く利用するのもあって本へ書き込みはしない派だが、読みながら付箋がわ…
本書は言語学者・川添 愛先生が執筆した言語学コラムをまとめた本。 日常と言語学を結びつける話運びと、キレのある比喩表現が面白い一冊。【書評・感想】
中世ヨーロッパの社会構造はどうなっているか。うっかりタイムトラベルしたら何に注意すべきか。そんな歴史的な要素をライトな書き方で紹介している。【書評・感想】
鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』。謎解きにだけ集中できる工夫が新しいミステリー小説/推理小説だった。感想と書評を添えて紹介。
高校までに学んできた様々な数学の公式。それらがどんな時代に生まれ、発展したかを数式とともに紐解くのが、本書「数学史入門(講談社)」だ。読んだ感想・書評を紹介。
新年に最適なブックガイド・書評本。それがみすず書房「文学の福袋(漱石入り)」だった。読んだ感想と、紹介されていた中で特に気になった本を紹介する。
近年注目され始めた環境DNAとはなんなのか。そんな疑問にわかりやすく答えてくれるのが、岩波書店の書籍「環境DNA入門」だ。本書の概要について、感想を添えて紹介する。
新進気鋭の生物学者が書いたポピュラーサイエンス本「キリン解剖記(ナツメ社)」。著者の研究生活と熱意が窺い知れるとてもいい本だった。読んだ感想を添えて紹介。